ここまでに、プロマネの4つのコアスキルの内、①計画力、②進行力を解説してきました。
この2つのコアスキルは本当に重要なスキルで、このスキルが高いプロマネが率いるプロジェクトは本当に幸せです。笑
でも、プロジェクト成功にはそれだけでは足りません。
なぜならプロジェクトとは『何かしらの課題を解決する取り組み』であり、その課題解決の巧拙がプロジェクト成功に強烈に影響するからです。
この記事では、プロジェクトの成功率を決める『課題解決力』について解説していきます。
個人的には戦略コンサルで習得して最も良かった、最高に価値あるスキルだと思っています!正直、どの仕事もこの課題解決力を高めることで、グッとレベルを上げることが可能です。
『課題解決力』というとぼんやりしていますが、今日は今すぐ実践できるよう、超詳細に解説していきます!
プロジェクトとは課題解決そのもの!
まず最初に、今関わっている・これまで関わってきたプロジェクトを思い返してみてください。
ペーパーレス化で生産性を上げたい・DXで競合他社に先んじたい・DX人材を社内で育てたい。どれも実は『課題解決』のためのプロジェクトです。
紙の業務のせいでリモートワークが進まないという『課題』があるから、ペーパーレス化という『解決』策で生産性を上げるといったように、デジタル化・DX案件であっても、プロジェクトとは課題解決そのものです!
そのため、プロマネ自身の『課題解決力』はプロジェクトの成功に直結する、超重要なスキルです!
課題解決力という土台の上に、プロジェクト毎の個別のテーマが乗るため、課題解決力の低いプロマネがリードする案件では格段に失敗リスクが高まります…!
改めて『課題解決』って何のこと?
さて、ここでいきなり質問です!課題解決って、具体的に説明すると何をすることでしょうか?
意外とパッと浮かばない人も多いのではないでしょうか?
改めての定義になりますが、私は課題解決とは『2つの行為』で成り立っていると考えています。
- 目標と現状の『ギャップ=課題』を把握して
- そのギャップを『埋める』こと
文字にすると当たり前に見えますが、意外と100点満点で以下をできているプロジェクト、少ないのではないでしょうか?
- 今のプロジェクトの『目標』を、メンバー全員が解像度高く理解しているか?
- メンバーの中で、『現状』の共通認識はできていると自信を持って言えるか?
- 目標と現状のギャップを言語化・可視化して、メンバー全員で共有できているか?
- ギャップを埋めるための打ち手の全体像と、その優先度は明確に決められているか?
上記の点がクリアでないと、プロジェクトを成功させるのは相当難しいと思ったほうが良いでしょう。
100%常にできている!と思ったプロマネの方は、相当レベルが高い or かなり認識が甘いかのいずれかです。
再度胸に手を当てて、素直に振り返ってみてください!
課題解決の前提になる『目標』の設定
では、ここからが本題です!
課題解決を上手く進めるには、一体何が必要でしょうか?
課題解決には重大な『3つのファクター』があり、これらがあって初めて、解決の成功率を高めることができます。
- 目標を明確に・解像度高く定めること
- 現状と課題=ギャップを正確に把握すること
- その差を埋める打ち手を決めること
特にここでは、課題解決の前提となる①から詳細に見ていきましょう。
- 目標を明確に・解像度高く定めること
課題解決=『あるべき姿と現状のギャップを埋める取り組み』だとすると、まず考えるべきは『目標』です。
皆さんのプロジェクトでは、『目標』を明確に決められていますか?
多くの人が関わるプロジェクトにおいて『目標』はSMARTの要件を満たす必要があります。
- S(Specific):具体性
- M(Measurable):計測可能性
- A(Achievable):達成可能性
- R(Relevant):関連性
- T(Time-bound):明確な期限
プロマネとメンバー間で『認識のズレ』が起きないよう、SMARTな目標を設定は非常に重要です。加えて、SMARTであれば進捗度合いを計測できるため、ズレや遅れが発生した際に、早期に軌道修正も可能になります。
プロジェクトの成功を決める、超大事 & 最初に1回しか設定できない『目標』、徹底的にこだわれていますか?
ぜひ自身のプロジェクトについて、振り返ってみてください!
課題解決で外せない『現状・課題・ギャップ』の把握
明確に目標を決めたら、次は『現状』を正確に把握しにいきます。
現状把握、簡単に聞こえますよね。でも実はこれが、かなり難しかったりするので要注意です!
- 現状と課題=ギャップを正確に把握すること
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課題解決の打ち手を考える最強の『型』
次に、課題解決の3つのファクターの内、最後 & 最重要な課題解決の『打ち手』の決定を解説していきます!
- その差を埋める打ち手を決めること
打ち手の検討は、文字通り、課題解決の『成果を決める』最重要なアクションになります。
絶対に外せない打ち手の検討ですが、どう進めたら『最も精度を高められる』でしょうか?
実はこの『打ち手の検討』には、すぐできる & 常に絶対やったほうが良い3つの『型』があります!
- 課題解決の型『①課題→②原因→③真の原因の特定→④打ち手→⑤打ち手の優先順位づけ』で考える
- ②④の発散ステップで、『なぜ?を5回、本当に?を5回』考え、徹底的に幅出しする癖をつける
- ③⑤の収束ステップで、『重要度(インパクトの大きさ) x 緊急度(実現までの時間軸))』で優先度をつける
1. は課題解決の手法である『ダブルダイヤモンド』の考え方に近いですが、これ、本当に有用です。
ほとんどすべての課題解決の流れは、この『型』どおりに進めることで、かなり劇的に質を高めることができます!
2. は発散フェーズで『タテ x ヨコの深堀り・幅出し』を徹底していく方法です。
例えばWebサイトのコンバージョン率が低いという課題も、タテ x ヨコに広げていくと色々な原因の可能性が見つかります。
この深堀り・幅出しをした上で絞り込んでいる人と、そうでない人では、課題解決の『質』に雲泥の差が生まれます!
何となく思いついた1個に飛びついている人と、5 x 5 = 25回考えて決めている人では圧倒的な差は生まれますよね…
3. は収束フェーズで『重要度 x 緊急度』で優先順位をつける方法です。
限られたお金・時間で最大成果を出すためにも、実現のインパクトが大きく x 実現までの時間軸が短い打ち手を優先して実行していくことが重要です。
息を吸うように上記の3つの『型』を使いこなせるようになるまで、徹底して常に『型』を使って考えることを意識してもらえればと思っています。これ、一生モノのスキルになるはずです!
『課題解決』、プロマネは100%読むべき2冊
本記事で詳細に『課題解決』について解説してきましたが、課題解決の達人になるには、目標設定や課題発見、解決策の選定など、かなりレベルが高いスキルを幅広く使いこなすことが求められます。
課題解決の巧拙がプロジェクトの成否を決めるので、イケてるプロマネを目指す皆さんには、以下の2冊を熟読することを100%強くおすすめします!
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まとめ
今回は『課題解決』の極意を詳細に解説しました。
『課題解決スキル』と言われてもいまいちピンとこなかった方も多いと思いますが、本記事を通して、かなり広範なスキルを駆使して『型』どおりに取り組むことで、グッと課題解決の『質』を高められる可能性を感じていただけたかと思います。
プロジェクトは『何かしらの課題を解決する取り組み』である以上、課題解決の巧拙がプロジェクトの成否を決めます。
課題解決は戦略コンサルで習得して最も良かった、一生モノのスキルだと感じていますので、ぜひ課題解決の達人になって、デジタル化・DX案件を成功に導くプロマネを目指してほしいと思います!
また課題解決の裏側で駆使している『3つの思考のスキル』についても次の記事で詳細に解説していますので、ぜひ併せて読んでみてください!
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