【プロマネスキル⑤】良い会議をつくる『コミュニケーション』スキルの全て

ここまでの記事で、『プロジェクトを進める』3大スキル、①会議・②資料作成・③ファシリテーションを解説してきました。
今回はプロマネ力のすべてを支えるスキルとなる、プロジェクト、特に会議での『コミュニケーション力』を説明していきます。

デジタル化・DX案件では、理解レベルが異なる多くの関係者が関わるため、この『コミュニケーション力』が超重要になります。

世の中にはたくさんの『話し方』や『プレゼンテーション』に関する書籍・記事がありますが、今回は『プロジェクトで活かせる』会議でのコミュニケーション力に特化して解説していきます!

プロジェクトは日々『会議』とその中での『コミュニケーション』の連続!
そのため『コミュニケーション力』はプロマネ力・会議力を大きく底上げする、絶対に学んで強化すべきスキルです。

ぜひ本記事でプロジェクトで求められる『コミュニケーション力』を極めてもらえればと思います。

目次

コミュニケーションの目的は常に『相手』を『動かす』

まず最初に、コミュニケーションの目的を共通認識にしましょう。

プロジェクトにおいて沢山のやり取りや会話をする目的は、常に『動かす』ためです。『理解』してもらうためではなく、伝えて『動かす』ことが目的・ゴールになります。
そのため、相手に『理解してもらった上で、どうしてほしいか?』がないとコミュニケーションは始まりません。

言っていることはそのとおりなんだけど…きれいな資料なんだけど…
なぜか伝わらないコミュニケーションってありますよね。この原因が『どうしたいか?=動かす意思』がないことです。

そして、もう一つ大事なのが、『相手』に伝わるをゴールにすること。

どんなに分かりやすく、上手く説明した『つもり』でも、『相手』にとって分かりにくければ、それは良いコミュニケーションではなないです。

全てのコミュニケーションの前提を『相手』に『動いてもらってなんぼ』に。これをスタートラインにしましょう!

コミュニケーション、4つのパターン

プロジェクト、特に会議で求められる『コミュニケーション』は大きく4つです!

  1. 話す
  2. 聞く
  3. 質問する
  4. 回答する
画像: 筆者作成

4つのパターンは、それぞれ関連していますが、今日は1つずつ分解して、細かく見ていきましょう!

伝える・動かすの基本は『①話す』スキル

自分やチームの主張を相手に『理解』してもらい、『動いてもらう』ために必要なのが①話すスキルです。
皆さん、毎日たくさんの人から『話』を聞いていると思いますが、分かりやすい話ってどんな話でしょうか?

10年以上プロジェクトに関わる仕事をしてきて、私が気をつけているのは以下の4点です!
新しいことを、理解レベルの異なる社内外の関係者で取り組む『プロジェクト』だからこそ、徹底的に意識しています。

  1. 相手の状態・理解『を』揃える
  2. 相手の状態・理解『に』揃える
  3. 必ず『スタンス』をとる
  4. 相手の頭の中に『構造』を描く

1. は、会議の冒頭に必ず全員の理解を『揃える』コミュニケーションをします。
全員前回のmtgにいても、必ず『前回の振り返り』をして、理解レベルを揃えてから、会話を始めるようにしています。
ここがズレたままだと、『全員にとって分かりやすい』会議は絶対に実現できないため超重要です!

画像: 筆者作成

2. は、聞き手である相手『に』揃えるため、カンタンな言葉を使う=難解な用語は絶対に使わない!です。
リモート会議が増えている今では、聞き手は『よく分からない』となると、すぐに会議に集中しなくなります…
内職してもバレにくい時代だからこそ、とにかくカンタン・分かりやすい言葉選びは意識したいですね。

3. は、デジタル化・DX案件では特に強く求められる、話すスキルです。
新しい・正解のない取り組みが多いからこそ、どっちつかずで、スタンスをとらないコミュニケーションには本当に意味がありません!
どちらかにスタンスをとるからこそ、チームからも賛成・反対の意見が出て、プロジェクトでの議論は深まります。
プロマネ自身が『語尾を言い切らない』『基本的に…と逃げの発言が多い』では絶対にプロジェクトはうまくいきません!
プロマネだからこそ、全ての情報が集まらなくても、自信がなくて怖くても、スタンスをとりましょう!

ちなみにコンサルの世界では、このスタンス・ポジションをとることは超重要視されています。

最後に4. は、①話すだけでなく、②聞く・③質問するにもつながる最も大事なスキルです!
一言でいうと、常にピラミッド構造で考え、相手が頭の中にその構造を描けるように話をするスキルです。

 画像: 書籍『1分で話せ』より抜粋
  • 結論 | 『~です』を最初に伝える
  • 根拠 | 結論を支える『理由は3つあります。AとBとCです』を伝えて、それぞれを説明する
  • 事実 | 根拠を『たとえば・具体的に言うと』で補強する説明を足す

結論を最初に、とはよく言われますが、なかなか難しいですよね…
それを上手くやるコツが、この『ピラミッド構造』で考え、話すことです!

結論が最後だと、何が悪いのでしょうか?それは相手にとって『理解するのが大変』だからです。
相手は途中まで『結局何が言いたいのか?』が見えず、最後に結論を聞いて『自分で整理し直す』必要があります。
これ、面倒だし大変ですよね…

だから『結論が最初に来る、ピラミッド構造で話す』が必須なんです!

正しく『②聞く』スキルも①話すスキルの応用

相手の主張や状況を正しく理解するための『②聞く』スキルも、実は話すスキルの応用です!
要は、相手の話を『ピラミッド構造』を作りながら聞いていくことがポイントです。

画像: 書籍『1分で話せ』より抜粋

ここで問題になるのが、相手は『ピラミッド構造』で話してくれないケースがほとんど、ということです…
順序がバラバラでも、結論・根拠・事実が揃っていれば、かなりマシです。その場合には、話を聞きながらピラミッド構造に当てはめて整理しなおせば、相手の言っていることはかなりクリアに理解できるはずです。

でも、実際に聞く話は、結論・根拠・事実が怪しい、以下のようなケースも非常に多いのではないでしょうか…?
そんなときに必須になるのが、不明点を埋めるための③質問するスキルになります!

画像: 著者作成

相手の話を整理するのに必須な『③質問する』スキル

次に見ていくのが『③質問する』スキルです。
このスキルは②聞くスキルと繋がっています。ピラミッド構造に当てはめながら聞いていった結果、どうしても上手く当てはまらない場合に『質問』を使って情報を埋め合わせていきます。

上図のように、相手の話を聞いていった結果、理解できない部分が発生した場合に、上手く質問を活用していきます。

画像: 筆者作成

このように質問を使って、ピラミッド構造の『抜け漏れ』や『本当なの?』と思う部分を埋めていくスキルが求められます。

これができると、理解の齟齬がなくなるだけでなく、相手が『自分では気づいていなかったポイント』に気づいてくれたり、プロジェクトを進めるための必要な情報が『追加で』出てきたりと、プラスのメリットが本当に沢山あります!

そして、この聞く→質問する→整理するをリードできると、会議での主導権はあなたが握ることになり、チームからプロマネへの信頼もどんどんと大きくできます。

大きな失点を防ぐための『④回答する』スキル

最後が『④回答する』スキルです。
皆さんも、とっさに意見を求められて真っ白になる…鋭いツッコミに上手く回答できなくてしどろもどろになる…、といった経験をしたことがあるのではないでしょうか?

こういうことが続くと、プロマネとしての信頼は大きく揺らいでしまいますし、プロジェクト自体も『大丈夫なの?』と上手く進まなくなるリスクが高まってしまいます。

そこで、まず大事なのが『質問パターンの仕分け』です。
いろいろな質問やツッコミがあると思いますが、実はシンプルに、回答は3パターンに分けられます。

そしてそれぞれに、求められる回答を『結論から』話していくことが重要です。

  1. 『YES or NO』を回答すべき質問 → どちらかを明確に答える。曖昧はダメ!
  2. アイデア』を回答すべき質問 → 正解を出そうと何も言わないのはダメ!
  3. 『懸念点』を回答すべき質問 → 曖昧な意見ではなく『言い切らないと』絶対ダメ!
画像: 筆者作成

『早く答えないと』と焦らず、まずは質問パターンを正確に把握すること。その上で、求められる回答を『ピラミッド構造』で結論から話していくようにしましょう!

このとき、自分の考えを『言い切る』ことに不安を感じることも多いと思います。
それでも上記で説明したとおり、プロジェクトを動かすためには、スタンスをとって言い切ることが絶対に必要です!

本記事の最後に、私が『常に言い切る』ために意識してやっていることを共有します。
これらを当たり前にやれていれば、どんな時でも『自分なりの考え』を持って、スタンスをとれるようになるはずです!

  1. 当事者意識 とにかくプロジェクトのことは何でも自分事・自責で取り組む
  2. ユーザーになる ユーザーの声として話せば、全然文句を言われなくなる
  3. 好きになる 商品やメンバーを好きになると『役に立ちたい』が勝つはず
  4. リトルホンダ 常に自分の考えを客観的に見る自分を作って、ツッコミまくる
画像: 著者作成

『コミュニケーション力』を鍛えるならこの2冊

本記事で、特に会議での『コミュニケーション力』を解説してきましたが、4つのパターンはそれぞれでたくさんの本が出ているほど、本当に幅広いスキルが必要になります!

コミュニケーション力は本当にどの仕事にも活用できるスキルですので、ぜひ極めてみてほしいです。
ここでは『絶対に読むべき』おすすめの2冊を紹介します。

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まとめ

今回は『コミュニケーション力』、特に会議で活用できる4つのパターン、『話す・聞く・質問する・回答する』を詳細に解説しました。
コミュニケーション力というと非常に幅広いスキルですが、本記事で説明した4つを鍛えるだけでも、プロマネ力はかなり大幅に上がります!

鍛える上での前提は、①伝えて『動かすこと』がゴール、②『相手』にとっての分かりやすさが全て、の2つ!
これらを徹底的に意識して、日々のコミュニケーションで実践を重ねてもらえればと思います。

また今回たくさん出てきた『ピラミッド構造』ですが、これを使いこなすにはこちらの記事で紹介している『ロジカル思考』への理解が必須になってきます。
ぜひ併せて読んでみてください!

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