ここまでの記事では『プロジェクトを進める』3大スキルの内、『会議の設計』と『資料作成』スキルを解説しました。
今回は3大スキルの内、最も難易度が高い『ファシリテーション』について詳細に説明していきます。
デジタル化・DX案件のように新しい取り組み & 関係者も多い案件では、しっかり会議設計をして、資料も準備した上で臨んでも、なかなか上手く議論が進まないことも多いと思います。
社内の事業部門とIT部門、さらに社外のコンサルやベンダーも参加する会議になると、もはやカオス状態…全く収集がつかなくなることも多いですよね。。みんな、ほんっとーに好きなことばっかり言いますし。笑
ファシリテーションは『即興力』も求められる難しいスキルですが、才能じゃなく努力で何とかできる部分も多くあります!
ファシリがうまくなると『デキるビジネスパーソン』まっしぐら!
私としてもライバルが増えるのであまり教えたくないですが、学べばできる『ファシリの秘訣』、今日は公開しちゃいたいと思います!
※ 3大スキルの内、会議と資料作成については以下をご覧ください!
『設計と資料』が会議のスタートライン
本記事の『ファシリテーション』は、『会議設計と資料作成』がちゃんとできていることが大前提です。
そこに不安がある場合は、まずはそちらの学習を優先しましょう!
会議の設計もイケてる資料もない中で会議に突入しても、絶対に『素敵なファシリ』はできません!
急がば回れ、まずは設計と資料を準備しましょう!
※ こちらから会議スキル編・資料作成編からご確認ください
ここが嫌だよ、『ファシリテーション』…
まず最初に、、そもそもなぜ『ファシリテーション』って難しいんでしょうか?
以下のようなつらい経験を、誰もが一度はしたことがあると思います。。特にコロナ以降に当たり前になった『オンライン会議』は上手く仕切るのが本当に難しくなりました、、!
- 関係者が多く、場が盛り上がらない・終始しーんとしている…ファシリは孤独
- 話を振っても、発言してくれない・意見が出てこない…あれ、聞こえてますか?
- 議論を整理できない・全然噛み合わず結論が合意できない…ダレカ、タスケテー
- 決まったことをやってくれない・TODOが進まない…OKって言ったじゃーん。。。
では、高いハードルを超えて、イケてるファシリテーションをするにはどうすれば良いでしょうか?
ポイントは、実は会議が始まる『前後』にあります!
ディスカッションが始まってから焦っても『時すでに遅し』、、というやつです!
会議の『ファシリテーション』は4ステップ!
具体的に学ぶ前に、まずは会議のファシリテーションスキルを分解してみましょう!
ファシリのスキルは大きく、4つのステップで構成されています。
- 事前連絡
- 導入
- 進行
- ラップアップ
実はこの中で、ファシリを難しくしている問題児は③のみ!
ここは意見を整理する、適切な問いかけをする等、瞬発力が求められるなかなか難しいステップです。
でも①②④はそんなこと全然ありません。丁寧にやれば誰でもできますし、しかもここが良くなるだけでぐっと会議は良くなります!
はい、そうです、今日からやり切ると心に決めましょう!笑
改善すべき2つのフェーズ!これで今日から会議上手!
まずは改善しやすい①②から見ていきます!
- 事前
ここは非常にシンプルで、①アジェンダ・②資料を『事前に』会議の出席者に共有しましょう!というだけです。
+αのワンポイントは③送付するときに、メール等で相手に『確認してほしいポイント』を明示してあげることです!
書くと、本当に、本当に『当たり前』のことに見えますが、びっくりするぐらい、多くの会議でこれが出来ていません…
事前に共有ができていないと、参加者は資料を読まず=考えを整理せずに集まってくるので、会議中に資料を理解することに時間を使い、大事な議論や結論出しができなくなります。
みんな必要性は理解しているのですが、どうしてもギリギリの対応になったり、事前に共有できていないことが多いのではないでしょうか?
事前共有を100%徹底してできているプロマネはかなり少ないので、それだけでイケてるプロマネに近づけるはずです!
No More 当日送付!でいきましょう!笑
- 導入
次に導入部分、実は私がファシリで『一番気をつけている』ステップです!
なぜなら、このリモート時代、『開始1分で今日何をやるか?』が明確にならないと、忙しいキーマンたちはみんな内職を始めるからです!笑
開始早々に、参加者の頭の中に『今日の会議の過ごし方』をイメージさせることは、今の時代のプロマネにとって超重要になっています!
これもやることはめちゃくちゃシンプル!
冒頭に①目的、②アジェンダ/時間配分、③進め方の3つを確認して、参加者に合意を取るだけです。
これをやるだけで、参加者全員が『話を進めやすい状態』になり、会議全体の『生産性』も爆上がりします!
しおりがない遠足なんて道中ずっと不安ですよね笑、必ず最初に会議の全体像を伝えるようにしましょう!
もう一つだけ、忙しいキーマンが聞く気になってくれたら、その次にぜひやってほしいことがあります!
それが『前回ミーティングまでの振り返り』です!
会議の冒頭で『ここまで何が決まっていて、何が積み残しになっていたか?』を明確にすることで、目線を全員で揃えた上で会議をスタートできます。
終わりよければ全てよし!会議は『まとめ』が超重要!
会議の最後の部分、『まとめ』を上手くやれるかが、会議の成果を決める上で最後のカギになります!
- まとめ
なぜ最後の『まとめ』が大事かというと、シンプルに忙しい人ほど『すぐ忘れる』からです笑。忙しいプロジェクトのキーマンたちは、全く悪気なく、決めたことを1分で忘れていきます笑!
そのため、会議の終わりに気を抜かず『まとめ』をして、2つを確認し切る必要があります。
- 決定・未決事項の選り分け
当たり前に聞こえますが、『何が決まって・何が決まってない(と理解している)か』を全員が共通理解にできている会議は、実は非常に少ないです…!
必ず会議の終わりに確認時間を取り、参加者全員で『決定・未決事項』を整理・納得するようにしましょう。
その上でもう1ステップ!
決定・未決事項は箇条書きで書面・メールで必ず残しましょう。その中で、未決事項については下記2.の『TODO』も併記するのがベストです!
- TODOの明確な設定
会議には『未決事項』がつきものなので、それらには必ず『明確なTODO』を設定しましょう。TODOに必須な要素は『期待するアウトプット』『担当』『期限』です。
担当・期限がないTODOは絶対に上手く進まないので、『仮でも』設定することを徹底してください!
その中でも1番大事なのは『期待アウトプット』。
TODOを設定しても、出てきたものが『全然ちゃうやん…』となった経験がたくさんあると思います。
それを防ぐために超重要なのが、アウトプットを『名詞で』『期待水準とセットで』合意することです!
何をどのレベルで出したらTODOが『完了』となるかを明確にすることで、ズレや手戻りを未然に防ぐことができます。
難しいけど絶対取り組むべき『会議進行』スキル!
- 進行
最後がフェーズ3の『進行』です!
ここは意見を整理する・適切な問いかけをする等、『即興力』が求められる結構難しいステップです。
それでも今日は今すぐできる、誰でも改善できる3つのポイントを紹介します。
- 議論の可視化
リモート時代に特に重要なのが、この『議論の可視化』です。
会議中には色んなディスカッションがされると思います。これを、きれいじゃなくても良いので、とにかく『ホワイトボード』や『画面共有』で、メモとして全員に可視化・共有していきましょう!
特に重要なのが『決まったこと』をメモで書いて、決定事項として『リアルタイムでピンを留め』することです。
決定事項を『共通認識』にできますし、ニュアンスの違いなどを参加者からすぐにコメントしてもらえるので、認識のズレを生まずに進行していけます。
リモート会議ではホワイトボードツールを使うのもオススメですし、パワーポイントやGoogle Slidesにそのまま追記していっても良いと思います。
慣れるまでスピードについていかない部分もあるかもしれないですが、劇的に議論がスムーズになるので、ぜひ社内会議からでも良いので試してみてほしいです!
- 話の振り方
ファシリテーターの話を『振る』スキルも、特にリモート時代になって重要度が増しています。
特に先方のキーマン・担当者で発言をしていない人がいれば、話の切れ目で『どうですか?不明点はないですか?』と必ず話を振りましょう。
ここでのポイントは、何となく歯切れが悪い・言い切らない人には、質問をしながら『言い切らせる』ことです!
「こういう理解で正しいですか?」と確認しながら、キーマン・担当者の意見を必ず明確化させましょう。
話さない人は割と納得していない可能性が高いです。
その場で振らなければ、会議では上手くやり過ごせても、その後に必ず合意のハードルになります。
そして早期に解決すれば『モヤモヤ』程度だったものが、放置していると『反対』に変化することも多い…
なので、気になったタイミングで必ず振って、発言してもらう機会を作って、考えを吐き出してもらいましょう!
反対意見を恐れずに、ファシリテーター自ら話を振っていく姿勢が、プロジェクト成功のためには本当に大事です!
- 議論のタテ・ヨコの明示
議論を上手く進めるコツは、『今、何を議論しているか?』の共通認識を持たせること。そして認識させるべきは『タテ』x『ヨコ』のどこを議論しているかです。
難しいですが、これが本当に大事で、私自身もすごく意識しているポイントです!
『タテ』とは『課題解決の5階層』のことで、このどこを議論しているかを明確にしてディスカッションすることが大切です。
特に事象・問題・原因は混同されやすいので注意が必要です。
また階層を『下から噛み合わせる』ことも大事です。
原因がなく、打ち手を議論される等、順番を間違った議論がされることが本当に多いため、これをなくすだけで良い議論にできる可能性はものすごく高まります。
『ヨコ』とは『発散 or 収束』のどちらをやっているかを明確に意識することです。
これも意外と意識されていない会議が多いです!
『発散』中に『収束』の条件が会話され、それが指摘されないなど、ルールが不明確な会議は頻発しています。
でも『発散』と『収束』で、頭の使い方は全く違います!
そのためこれを明確に分けておかないと、良い議論がしにくいですし、会議の進行も難しくなります。
この議論の『タテ・ヨコ』を全員が理解して、今何を議論しているかを共通認識にしながらディスカッションすることで、劇的に会議は進めやすくなり、合意も形成しやすくなります!
『ファシリテーション』を学ぶなら絶対読むべき2冊
本記事で詳細に『ファシリテーション』を解説してきましたが、ファシリを極めようと思うと、細かいスキル・ノウハウは本当に多岐に亘ります!
ファシリ上手はビジネス上手ですので、更に学びたい人はぜひチャレンジしてほしいです。ここでは『絶対に読むべき』おすすめの2冊を紹介します。
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まとめ
今回は『ファシリテーション』を詳細に解説しました。
『ファシリテーション』というと、プレゼン上手の人が、見事に話をさばいたり整理しながら、上手く議論をまとめていく。何となく自分とは程遠いスキルだと思っている人が多いと思います。
でも、今日紹介した会議の『4つのフェーズ』の内、難しいのは③進行のみで、あとの①準備、②導入、④まとめは絶対誰にでも身につけられる & 実践できるスキルです!
ビジネスパーソンは、人生のxx時間を『会議』の時間に費やすと言われます…!その会議を円滑に進めるための超重要スキルがファシリテーションであり、全ビジネスパーソンが学ぶべき必須スキルだと思っています。
ぜひファシリ上手なプロマネになって、イケてる会議をどんどん回して、難関のデジタル化・DX案件を成功に導いてください!
また残りの2つのスキル、①会議の設計、②資料作成についても、超詳細に解説してみています。
ぜひ併せて読んでみてください!一緒に『炎上する・成果の出ないダメプロジェクト』を撲滅していきましょう!笑
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